大人は愉しい
大人は愉しい
・読み : おとなはたのしい
・著者 : 内田 樹,鈴木 晶
・発行 : 冬弓舎
・発行日 : 2002/06
・ジャンル : エッセイ
・サブタイトル : メル友おじさん交換日記
・定価 : 1,890円
・読み : おとなはたのしい
・著者 : 内田 樹,鈴木 晶
・発行 : 冬弓舎
・発行日 : 2002/06
・ジャンル : エッセイ
・サブタイトル : メル友おじさん交換日記
・定価 : 1,890円
セックスによって相手がどれくらいの快感をおぼえているかは分からない。
よく女の快感は男の十倍だとか百倍だとか言われるが、これは絶対分からない。
男は女に、女は男になれないから、相手の快感を自分も追体験するということができない。
しかし、痛みというものは男女に共通している。
だから相手がどれくらい痛いか、こちらにも分かるのだ。
SMとはそういうコミュニケーションなのだ。
痛さで確かめ合う愛。
性的快感は男女でずいぶん違うが、痛みは同質である。
よって「他人の痛みは分からない」というのは嘘である。
むろん単純な身体的な痛みと、抑圧され差別された者の痛みとは、ずいぶん中身が違います。
では、そうした痛みは分からないかといえば、そうではない。
ただし、それを分かるには想像力が必要である。
以前、女子高校生コンクリート詰め殺人事件があったとき、複数の識者が「最近の若者は過保護のせいで他人の痛みがわからない」という意見を述べていました。
私は、それはまったく間違いだと思います。
その後の取り調べで、加害者の少年たちの中には親に虐待されていた子がいたことが分かりました。
「他者の痛みが分からないから平気で痛めつける」というのは論理的に間違っている。
へんな言い方ですが、他者の痛みが分からなかったら、痛めつけても面白くないじゃないですか。
サディストは、相手がいかに痛い思いをしているか、想像できるから楽しいのです。
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